感想を聞くと本嫌いになるのか!?

こんにちは!ヤキナスです(^^)/

今日は、日本と欧米での読み聞かせの違いについて紹介します。

日本では全国各地で読み聞かせが行われています。読み聞かせに全く触れたことがない人はいないのではないでしょうか。わたしも色々な場面で読み聞かせに触れてきましたが、子どもの反応がよいときもあれば、いまいちかな?というときもあります。様々な効果をもつ読み聞かせだからこそ、よりよい方法はないかなと気になり少しずつ色々な本を読んでいます。

今回は、欧米での読み聞かせの中から、普段の読み聞かせに生かせそうなところをお伝えします。

日本での読み聞かせについては、対象が主に就学前の幼児

欧米での読み聞かせについては、対象が主に小学生の子どもなので、そのまま当てはめるのは難しいところがあるかもしれませんが参考になればと思います。

まず日本で理解されている読み聞かせの目的だけみても幅広くあります。
①聞く力を育てる
②言葉から想像する力を育てる
③考える力を育てる
④読書が好きになる 本が中心。読み手はあくまで媒体(本が嫌いになるからという理由で感想はあえて聞かないなんてことも)
⑤読み手と聞き手のコミュニケーション
⑥語彙を豊富にする
⑦心の成長や精神的な安定
⑧集中力をつける
⑨たくさんの知識や間接的な体験を得られる

次に、欧米で理解されている読み聞かせの目的は

「(一人読みの)読み方を学ぶための読み手による見本」なのだそうです。読むこと・書くこと・話し合うことに注目して目的が設定されています。日本では本が中心であり、読み手はあくまで媒体であると紹介されることがあるのに対して、本は一人ひとりの聞き手が「自立した読み手」になってもらうための手段とされています。
読むこと
①スラスラ読めるようになるのを助ける
②一人で読むよりも、高いレベルの文章を読んだり聞いたりすることができる
③自信がもてるようになる
④読みのコミュニティーを築くことができる→そのためにも、話し合いが大切!
⑤理解のためのスキルを強化する
⑥多様なジャンルや作者やテーマに出会わせることができる
書くこと
①話し言葉と書き言葉を結びつける
②書き言葉がどう機能するのかを理解する
③文学的な要素の理解を助ける
④自分が書けそうなアイディアを探し出す
話し合うこと
①価値ある話し合いを可能にする
②子ども自身が読み聞かせをする

日本と欧米では、そもそも読み聞かせの目的が違います。それでは、それぞれの方法を見ていきます。

日本で理解されている読み聞かせの方法
声や表情を変えず、アドリブも加えない「自然に読む」本が主役
②はっきり、ゆっくり読む
③聞き手の反応をよく見る
④選書は鍵
⑤事前の準備をする
⑥事後の振り返り、記録をとる
〇発音は明瞭か 声量 アクセント 間のとり方 内容にふさわしい読み方 難しい言葉は多すぎないか 絵をよく読みとっているか 会話は会話らしく読めているか

わたしが普段触れる読み聞かせも①の本が主役で「自然に読む」形のものが多い気がします。

欧米で理解されている読み聞かせの方法(欧米の読み聞かせの世界で有名な人たちの見解)の中から、日本と違うところを紹介します。
①最初の数行を読みながら、聞く人全員に目と目を合わせながら歓迎する
②優れたセールスマンのように、最初の行で引き込む
③文章を美しく、軽快な音楽のように読む
④情景が浮かべられるように、そして感情も伴う形で読む
⑤高い・低い、大きい・小さい、速い・遅い読み方をうまく使いこなす
動詞をしっかり読むことで動きのある物語にする
⑦間をうまく使う
⑧終わりはゆっくり読む
⑨最後の行を読むときは、みんなを見渡しながら目で「さよなら」を言う
⑩自分が好きでない絵本は読まない
⑪何よりも自分が楽しみながら読む
⑫読み聞かせは、読んだ内容、絵、言葉、考えやテーマなどについて話し合うととてもいい機会である。読み聞かせとその内容について話し合うことが、子どもたちの思考力を鍛える。
⑬読み聞かせに唯一の正しい読み方はない!できるだけ表現豊かに読むこと以外は。
⑭読み聞かせの最初と最後に加え、読んでいる間も聞き手とアイコンタクトをとりながらコミュニケーションを図る。
⑮読み終わった後は、しばしの静寂を楽しむ。
⑯張り切りすぎる必要はないが、体験全体を聞き手にとって面白いもの、価値ある体験にする努力はする。→退屈や面白くないことが、最大の敵!
人の話を聞く技術・本を読む技術は後天的なものであることを忘れないこと
読み聞かせの後は、話し合いの時間をもつこと(口頭・文章・絵で表現させる
表現を豊かにすること(会話の内容にあわせて声音を変える)
短縮すべきところ、省略すべきところ、あるいはもっと詳しく説明するところを見極める
㉑作者や絵を描いた人についても事前に語れるようにしておく
本の内容に関連する具体的なものも用意する
話し合いたいポイントにあらかじめ印をつけておく
㉔子どもが一人読みをするための時間を決めたり、一人読みのためのサポートをする

欧米では表現豊かに読むことや、本の内容について話し合うことを重視しています。本が主役なのではなく、一人ひとりが自立した読み手になるための手段として考えられています。

対象や目的が違えば、読み聞かせの方法も違って当然ですね。読み聞かせにどんな目的をもって行うかによって方法も変える必要がありそうです。

以前のわたしは、本の感想を聞くと本が嫌いになるという意見に賛成でした。読書感想文も大嫌いでした。余韻に浸り、そのまま終わってもいいのではないかと。

でも、話し合いをせずに終わってしまうとせっかく色々なことを感じ、考えたとしてもすぐに忘れてしまいます。感想は自分の中にとどまり広がることはありません。

本の感想を聞くと本が嫌いになるというのは、少し違うと考えます。感想を聞くから嫌いになるのではなく、感想を表現する方法が分からないから、嫌になるのだと思います。文章にしても絵にしても、自分が納得のいくように表現でき、誰かに伝えることができれば、本が嫌いになるどころか大好きになると思います。だから、まずは読み手自身が自分の感想や考えたことを表現することを見本として見せることが大切なんじゃないかなと思います。

読み聞かせって知れば知るほど面白いですね(^_-)-☆

それではまた明後日(^^)/

参考文献:読み聞かせは魔法!(吉田 新一郎)

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